鍼灸学校を卒業する時に掲げた自己努力目標が、鍼灸に寄る開業、勤め、流派の修行
、音楽活動の継続(音楽教室運営や合唱団指導を含む)、詩作。
この五つであった。
卒業後詩作以外は自分なりに実行を試みてきた。
10年前までは同人誌に参加し書くことを楽しむことができていたが、いろいろあっ
て同人誌を止めてからは書くという環境をなくして、筆も進まなくなり詩からは遠ざ
かっていた。
ここに来てちょっとした切っ掛けからある同人誌に参加させてもらい、また書いてみ
る機会を得た。
早速次の号の発行に間に合うよう作品を提出するようにという指示を受けて、いくつ
か書いてみた。
もちろんのこと、納得できるようなものは容易に書けない。
今自分の中にあるものを素直に作品に投影できることが重要なのだが、年を重ねれば
重ねるほど頭で考える理論に傾いて行く。
十代のころのような純粋な女性への思い、生きていることの疑問、先の見えない自分
の人生、まだ分からないことへの好奇心と熱望。
そういった漠然とした期待や不安はどこかに消え、思い出、哲学、理論、政治、人間
関係の諦めと溜息、愚痴。
そういったものの自分の変化の中で詩を書けば、出来上がったものは論文か説明文か
説教になってしまう。
とりもなおさずこれは分からない者、予想のつかないものが著しく減少して来ること
によるものだろう。
だから仕方なく思い出にしがみ付くことになる。
でも僕は今が欲しい。
年齢を重ねたものが、自分の今を詩に表すことはとても難しいと僕は思う。
でも自分の文章を模索して行くことが、これまた楽しい作業である。
どういったものが現れるか、自ら楽しみにしている。
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