2019、2、14
その年の国家試験は、有り難いことに我が南大阪視覚支援学校の大会議室で行われた。
ここで説明しなくてはならないのは、我々視覚障害を持つものは、一般の受験者より
も少し時間を延長して試験に臨むことが許されている。
弱視のものや、私のようにデージー(録音された試験問題を耳で聴いて解答する方法)で
臨むものは、どうしても時間を要するためである。
ということで、視覚障碍者は大阪市内の北・南視覚支援学校理療科が合同で国家試験
に挑む。
その会場がたまたま我が学校であったということである。
もちろん出題される問題、その量は一般のそれと同じものである。
「視覚障碍者にとってその仕事に付けなければ生きては行けないのだから、試験も優
遇して欲しい」という意見も時々聞く。
しかし僕はそれは違うと考える。
視覚障碍者が優遇されて社会に出た場合「ああ、あいつは優遇されて資格を手にした
施術者だからな」という目で見られるようになるだろう。
もちろん視覚障碍者が健常者と同じ条件で国家試験に臨むのは、勉強期間の三年間も、
試験当日もハンディーのあることだろう。
でも、やらねばならないのだ。
堂々と胸を張って社会に出て行くためにも。
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