「鍼灸治療の流派、パート9」大阪市、西区、阿波座

更新日:2019年4月11日


2018、7、24

脈診という技術は大変奥が深く、いろんな読み方を組み合わせることで体の様々な訴

えを知ることができる。

僕がこの流派に心を寄せた大きな要因が、この脈診の技術にあった。

卒業研究発表に僕が選んだテーマが、この脈診のほんの一部を使って女性の月経につ

いての不快感を少しでも軽減できるか、というものであったため、頻繁に治療院に出

向き教えを乞うこととなった。

さてそこで初めて訓練を受ける訳だが、わくわくした好奇心もつかの間、脈診の難し

さの前に途方に暮れることとなる。

それはそうで、一般に「脈診30年」と言われるほど熟練を必要とされる技術なので

ある。

僕はその時点で無資格者だったので、学校外で鍼を持つことは許されない。

ただただ脈診の訓練を受けるわけである。

学校に行き、僕の研究発表の担当教員の先生にその悩みを訴えると、先生も一緒に治

療院に出向き勉強したいと言い出された。

僕は内心とても驚いた。

何故ならその先生は学内ではとても厳格で、学生の中でも最も恐れられていた存在で

あって、学校外の技術を持ち込むなど一番に反対するだろうと思われたからだ。

我々は授業が終わった夕方に何度も治療院に出向き、共に訓練を受けた。

先生はご自分の出来ないこと、知らないことを恥じて隠すのではなく、全く新しいこ

とを真っ白な心で進んで受け入れて行こうとされ、一学生である僕と共に、全くの初

心者として訓練を受けられたのだ。

学校での臨床治療の場で先生は指導者と言う立場を度外視して、我々二人は手探り状

態の同級生のように、相談し、意見を出し合い、困惑しながら治療、研究を進め

てデータを作成して行った。

この先生はなんと大きな人だろうと、僕は彼の背中を見ながら感動した。

結果僕の研究はとても楽しく、意味の深いものとなった。

今から思い起こせば赤面しそうな稚拙な内容のものだったが。

研究発表会の直前、レポートの冒頭に置く文章を先生に見てもらうため、職員室を訪

れた。

そこには「日本での脈診は未発達で、古くからの教えを無視した手探りの治療ではな

いか」というような攻撃的な内容が記されていた。

「ちょっとこれは過激すぎですかね?」と先生に問うと「いや、これでは生ぬるい、

もっとダイレクトに述べるべきだ!」と言われ、更に過激な内容にアレンジされてし

まった。

先生は僕を見てニヤっとされ「だって事実だからね」と言われたことを覚えている。

それは関連的にご自分を批判することにも繋がることで、先生の風刺精神と熱い

情熱に感服した。

そして研究発表の当日、文字通り僕の発表は喧嘩を仕掛けるようなものとなった。

発表を終え席に戻ると、先生が近づいてこられてポンと僕の肩を叩かれた。

48回の閲覧0件のコメント

最新記事

すべて表示

「Let's begin、パート3」大阪市、西区、阿波座

僕はラジオ文化放送の「武田鉄矢・今朝の三枚おろし」という番組を、ポッドキャス トに登録して聴いている。 本好きの鉄矢さんが読んで興味深い、と思ったものを鉄矢さんなりに解釈して面白く リスナーに紹介する番組である。 少々こねくり回し過ぎのきらいはあるが、鉄矢さんのあざやかな話術と目の付け所に感心 も感動もしながら楽しんでいる。 アシスタントの水谷加奈さんの明るく能天気な性格と、腹の底では鉄矢さんの言

「Let's begin、パート2」大阪市、西区、阿波座

鍼灸学校を卒業する時に掲げた自己努力目標が、鍼灸に寄る開業、勤め、流派の修行 、音楽活動の継続(音楽教室運営や合唱団指導を含む)、詩作。 この五つであった。 卒業後詩作以外は自分なりに実行を試みてきた。 10年前までは同人誌に参加し書くことを楽しむことができていたが、いろいろあっ て同人誌を止めてからは書くという環境をなくして、筆も進まなくなり詩からは遠ざ かっていた。 ここに来てちょっとした切っ

「Let's begin、パート1」大阪市、西区、阿波座

僕がちょうど小学校の高学年ぐらいだった頃、テレビドラマで「飛び出せ青春」というのが放映され始めました。 登場人物は高校生で僕にとっては随分お兄さんお姉さんたちのドラマだったけど、憧れを 持って夢中になって毎週見ていました。 それを今になってもう一度見て見たくなり、検索してDVDを探してみると、僕と同じ 世代の人たちの中でやはりファンが多いらしく、全24話5本セットのDVDにプレミア がついて高い値