2018、6、24
学校での生活も少しずつ慣れ、二年間が過ぎ、僕は最終学年の三年生を迎えていた。
いよいよ国家試験を意識しない訳にはいかなくなってくる。
と共に、二年生までの按摩臨床に加えて、鍼臨床が入って来る。
臨床というのは、校舎の一階に設けられた臨床室に近所の方々が来られて、我々学生
の治療を受けて下さり、若干の治療費をいただくというものである。
もちろんその治療費は我々学生の財布には入らない。
臨床に必要な諸々の経費に使われるのだ。
もちろん我々学生は無資格で、先生が横に付いて指導しながらという条件付きで政府
から許可をもらっている行為で、患者様はその研究に協力するというのが名目である。
三年生では秋に卒業論文として一つの研究テーマを決めて、それを臨床での治療経過
と結果に基づいて資料をまとめ、全学生、先生方の前で発表しなくてはならない。
そのためにも一人の患者様を選んで、何回かの治療にご協力いただくことをお願いす
る。
僕は女性の月経にまつわる様々な不快感をどのように軽減するか、ということをテー
マに研究することとした。
しかし、そのような治療は今の日本での一般的な鍼治療では不可能なのである。
もちろんそこには、卒業後に僕が弟子入りする流派の治療を用いて、という狙いがあ
った。
このことがやがて学校内での煩わしい問題を僕にもたらすことになる。
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